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独占欲に捕らわれて
第8章 独占欲に捕らわれて
「な、なに……?」
「時間になっただけだよ」
紅玲はサイドテーブルのスマホを手繰り寄せると、アラーム画面を見せた。そこには“契約終了”の文字が並んでいる。千聖はアラームを止めると、スマホをソファの上に投げた。

「契約なんて、もう知らない……。ねぇ、愛して? いつもみたいに、愛してるって言って!」
「愛してるよ、チサちゃんだけをね」
紅玲が千聖を抱きしめて唇を押し当てると、どちらからともなく舌を絡ませた。水音と吐息が、淫靡に響き渡る。
「んっ……ふ、ぁ……は、んんっ……」
唇が離れると、千聖は紅玲の首に腕を回す。

「愛してるわ、紅玲。ずっと、そばにいてね」
「チサちゃんに愛されるだなんて、オレは幸せ者だなぁ」
紅玲は千聖を押し倒すと、首筋に舌を這わせる。
「あぁ……! お願いよ、私はあなたのものだって、痕をつけて」
「いくらでもつけたげるよ」
紅玲は千聖の首筋を甘噛みすると、思いっきり吸い上げた。鈍い痛みさえも千聖は愛情と快楽に捉える。

「いっ……んはぁ……! ちゃんとついた?」
「うん、綺麗についたよ。もっとつけようか」
「嬉しい……」
紅玲は再び首筋に顔を埋め、いくつもの所有印をつけていく。それは首筋だけにとどまらず、胸元にまで彩りを添えていく。
「ああっ! んぅ、ゃ……あぁんっ! 紅玲……ひぅっ、んんっ……好きよ、愛してるの……」
千聖は熱にうなされたように、愛の言葉を口にする。

「オレもチサちゃんのこと、愛してるよ」
紅玲は耳元で囁くと、深い口づけをした。ふたりは明け方近くまで愛を口にしながら求め合い、チェックアウトギリギリまでホテルに滞在した。

数日後、仕事を終えた千聖は1等地に建ててある一軒家の玄関を開けた。
「ただいま」
「おかえり、チサちゃん。今日もお疲れ様」
紅玲は千聖を出迎えて抱きしめると、色白の細い首に真っ赤な首輪を付けた。
(あぁ、ようやく紅玲を独り占めできる……。独り占めしてもらえるんだ……)
千聖は仕事用のカバンなどは乱雑に隅に投げ、紅玲の首に腕を回し、キスをした。
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