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独占欲に捕らわれて
第6章 契約期間開始
約束の金曜日、千聖は会社から出ると待ち合わせ場所である駅前に行く。紅玲は相変わらず赤と黒で統一された服装でいる。彼は珍しく難しい顔をしながら、スマホをみている。
「おまたせ」
千聖が声をかけると小さく肩を揺らし、いつもの笑顔を彼女に向けた。

「お仕事お疲れ様。じゃあ、行こっか」
紅玲はポケットにスマホをしまうと、手を差し出した。千聖がその手を握れば、彼は嬉しそうに歩き出す。
「珍しく難しい顔してたけど、誰から?」
千聖が聞くと、一瞬だけ手に力がこめられる。
「タチの悪い迷惑メールだよ」
紅玲は困ったように笑うが、明らかに嘘だ。
(まぁ私には関係ないけど)
「そっか」
千聖は嘘と見抜きながらも、気付かないふりをする。

「これから行くお店は、天ぷらがすごく美味しいんだ、期待してくれていいよ」
「それは楽しみね」
和食店は駅から歩いてすぐのところにあった。千聖のように仕事終わりの人達もいれば、家族連れもいる。
(よかった。高級料理店じゃないみたい)
千聖はホッとしながら、案内された席に座る。パパ達に何度か高級料理店に連れていかれたことがあるが、千聖にはどうも合わなかった。静かで上品な店よりも、こうしてにぎやかな店の方が千聖の好みだ。

「はい、どうぞ」
紅玲はセルフのお冷を注ぎ、千聖の前に置く。
「ありがとう」
お冷を受け取ってひと口飲むと、メニュー表を開いた。紅玲の言う通り天ぷらが売りらしく、天丼をはじめとした、天ぷらセットのメニューが多い。千聖が好きな海鮮系のメニューもあるが、せっかくのおすすめだ。

「チサちゃんは決まった?」
「天ぷらとざるうどんのセットにするわ」
「じゃあ注文しちゃうね」
紅玲は呼び出しボタンを押した。店員が来るとざるうどんとざるそばを、天ぷらセットで注文する。

「ここにはよく来るの?」
「んー、月に2、3回くらいはね。料理は苦手だから、外食が多くなっちゃうんだ」
よくないんだけどね、と言いながらお冷を飲んだ。
「早死にしそうね」
「あっはは、手厳しいね」
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