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独占欲に捕らわれて
第7章 苦悩
「私を呑みに誘うなら、50万は持っておいた方がいいわよ」
「ははは、それは怖いな……。それじゃあ僕は、君の飲み代を稼いでくるとしよう。紅玲を頼んだよ」
千聖が冗談めかして言うと、斗真は苦笑しながらその場を去った。

「さてと、行きますか……」
短く息を吐いて覚悟を決めると、千聖はドアを開けた。ドアについているベルがカラコロと鳴り、千聖の入店を知らせる。
「いらっしゃいませ。ようこそ、カーラ・ミラへ」
優しそうな初老の男性が、穏やかな笑みを浮かべて出迎えてくれる。

「おひとり様ですか?」
「ごめんなさいね、お客として来たわけではないんです。酔いつぶれたバカがいると思うんですけど……」
千聖の言葉に、マスターはあぁ、と納得したような声を出す。
「カウンターの奥に、若い男性がおります」
マスターに言われて奥にあるカウンター席に目を向けると、紅玲がカクテルグラスを一気に煽っていた。

(まったく、あのバカは……)
千聖はマスターに礼を言うと、紅玲の元へ行く。
「カシオレ1杯で赤くなるくせに、何してんのよ……」
声をかけると紅玲は小さく肩を揺らし、ゆっくりと顔を上げる。そこにはいつもの余裕の笑みはなく、今にも泣きそうな顔をしている。かなり呑んだようで、耳や首まで真っ赤だ。
「なんて顔してんのよ……」
千聖が言うと、紅玲は空になったグラスに視線を戻す。

「ほら、ここから出るわよ」
千聖は紅玲の腕を引くが、彼は微動だにしない。
「ここにいるとお店の人に迷惑がかかるから」
「ここから出たら、オレと一緒にいてくれる?」
紅玲は潤んだ目で千聖を見上げながら、縋るように言う。

「……いてあげるから、行くわよ」
「へへっ、やったぁ。チサちゃんは優しいね」
締りのない笑顔を浮かべながら立ち上がろうとするが、尻もちをつくように座り込んでしまう。
「あっはは……うまく、動けないや……」
「仕方ないわね……。捕まって」
千聖は紅玲に肩を貸し、なんとか立ち上がらせる。
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