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狼になる瞬間
第9章 拓馬の誕生日
美優の意識が朦朧としている間に
いつの間にか拓馬は手足の手錠を外していた。

「美優っ…美優…っ」

拓馬の余裕のない声が頭に響く。

「んっはぁっ…た…くま…っぁあっ」

何も考えられない美優は拓馬だけを感じていた。

「っ…イク…っ」

拓馬の腰が速くなり、一気に2人で昇天した。

ー…

「拓馬…誕生日おめでとう…」

美優は振り絞る声で拓馬に伝えた。

「…ん。ありがとう。美優ケーキ嬉しかったけど、良平に見られたのがだめ。
今度からは俺だけの前で変態になって。」


という拓馬の声とともに美優の意識はなくなった。


ーーーーー…

気がつくと自分の家のベットで横に拓馬が寝ている。

夢…?と思った美優だが、身体のだるさがさっきの出来事を思い出させる。

隣で眠っている拓馬は無邪気な顔をして眠っていて、
とても微笑ましかった。

ふとベットの横を見ると、美優が買ったプレゼントのスニーカーが開けられていた。

「誕生日おめでとう、拓馬。」

そう言うと美優は再び眠りについた。



ー後日。
沙織からは謝罪のメールと電話が絶えなかったが、必死に謝る沙織に笑って答えたのは言うまでもない。

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