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狼になる瞬間
第6章 痴漢

ー夜の6時。

今夜は拓馬の職場の飲み会。
そこに美優も誘われていて、お店まで一緒に向かう途中。

お店までは電車で20分程。

拓馬と美優は駅で待ち合わせをし、今電車に乗っているところだった。

電車の中は仕事帰りの人でほぼ満員。

美優は押しつぶされそうになっているが、
壁側に位置し、拓馬に守られていてなんとか立っていられる。

全く身動きが取れない状態だった。

「大丈夫?」

「なんとか…」

拓馬は心配そうに見下ろしてくる。

私達の少し離れたところでは女子高生が拓馬をみて
キャーキャー言っている。

そんな様子をみて、私は優越感にひたりながらも
複雑な思いだった。

「なに怒ってんの?」

「怒ってないよー」

美優はそっけなく返した。

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