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官能小説家のリアル
第9章  絆



 季節が変り、美波はまた忙しくパソコンに向かう日々。直哉は変わらず仕事帰りに寄り、一緒に夕食を摂っていた。
 今日は付き合い始めて二年目の記念日。
 直哉は明日有休を取り、部屋着で寛いでいる。
 美波は、仕事以外の予定に疎い。数日前直哉に言われ、覚えていた振りで誤魔化した。その後仕事の予定に紛らせ、日付を書いた付箋をパソコンに貼って置く。
 来年のスケジュール帳が売り出されたら、書き込む予定でいる。
 テーブルの上には、デリバリーのオードブルやワイン。ホールのケーキは直哉が買って来てくれた。
 美波も呑み、体が熱くなってきたところへ飯野からの電話。
 話を聞いた美波は、驚きの表情。
「ありがとうございます。はい。え……?」
 紙ナフキンにメモを取っていた美波の表情が、急に複雑なものに変わる。
「どうしたの……?」
 ワインを飲んでいた直哉が、小声で訊く。
「原稿は、大丈夫です。でも、それは……。はい……。あの……。考えさせてください……。はい。失礼します」
「何?」
 直哉が、スマホを置いた美波を覗き込む。
「飯野さんから。まずはね。読者アンケートで、二位だったって。一位は、男性向けで既に有名な作家さんだって言われた」
「凄いじゃん! そんな特別なヤツの次だろう? 実質一位じゃん!」
 喜んでいる直哉を見て、美波が溜息をつく。
「まだ、なんかあんの?」
「次の仕事をもらったのも、いいんだけど……。巻頭で、グラビア、やらないかって……」
「グラビア!?」
 さすがに直哉も驚く。
 直哉がよく買うのは漫画雑誌だが、必ず巻頭ら女性のグラビアがある。
「水着?」
「まさかっ! 公園で、私服で撮るって……。どうしよう……」
「ダメ! って言いたいけどなあ。それも仕事の一つだよなあ」
 今度は直哉が溜息。
「顔は、あんまり出したくないないなぁ……。恥ずかしいし……」
 顔を出す? と考えた直哉が、「やっぱダメ!」と言う。
「やらしい小説書いて顔出すなんて、オカズにするヤツがいるかもしれないじゃん?」


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