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官能小説家のリアル
第9章 絆
「オカズ……」
美波にもその意味が分かり、顔が紅くなる。
「まさか……」
「美波なら、充分すぎるって。服着てても胸が大きいの分かるし。裸とか想像されるぞ? 絶対ダメ! 反対っ!」
酔い始めているせいで、直哉も色々と考えてしまう。
そう考えると、美波も複雑な気持ち。
サービスなら、過激な小説でする。それをオカズにしてもらえるなら、嬉しいと思っている。直哉には言えないが。
「うん。直哉が嫌なら、断るね」
「止めなかったら、やったのかよお」
直哉が横目で見る。
「そんなことないよぉ。もし、凄い美人だとしても、顔出すのは違うと思うし。小説のイメージが、膨らみづらくなるでしょう?」
美波は本当にそう思っていた。
好きな小説の作家ほど、顔を知りたくない。プロになる前はそう思った。作家の年齢や顔に関係なく、作品に対して抱くイメージがある。
凄く過激な作品を書く作家が、ほんわかとした人だったり。泣かせる作品を、派手すぎる作家が書いていたり。
いくら美人でもイメージと違い、複雑な気持ちになったことがある。
それを話すと、直哉も納得してくれた。
「確かになあ。超美少女を描く漫画家が、オッサン。て、よくあるからなあ。しょうがないけど」
「すぐ断るね。向こうも、早い方がいいと思うし」
美波はすぐ電話をして、“自分も恥ずかしいし、恋人も反対している”という旨を告げる。
そう言われると、飯野も諦めるしかない。
「美波? ホントはやりたかった? グラビア」
「ううん。雑誌に顔が載るなんて。芸能人じゃないんだから」
「そう。美波は、オレにだけ見せればいいの。その代わり、全部……」
直哉が美波をソファーに押し倒す。そのままキスをすると、舌を絡め合った。
「はぁっ……」
部屋着の上から乳房をまさぐっていると、直哉の指に硬い部分が当たる。
「美波。乳首勃ってる……。気持ち悦い……?」
「ん……」
間近で見つめられ、美波は瞳を伏せて小さく頷く。
「向こう行こう?」
そう言った直哉が、美波の手を引いてベッドへと移動した。