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官能小説家のリアル
第9章  絆


「やらしくて良かったよ? あっ、美波。鏡ネタ、使ったなあ」
 言われて、美波はドキリとする。
 以前直哉にされて、いいシーンになると思ったから書いてしまった。
 資料として、アダルトビデオや雑誌を参考にすることもある。自分の体験よりも、どういったものの受けがいいか。
 書く時も真剣で、女性なら濡れながら書くなどもない。そんな作品は独りよがりになり、読者を置き去りにしてしまう。そう説明したくても、こんな状況では恥ずかしくて出来ない。
「あれ、悦かったんだあ?」
「違うっ!」
 美波がベッドに顔を埋めた。
 その間に本を戻してきた直哉に、抱き起される。
「返事は?」
「え?」
「プロポーズの返事っ」
 直哉が本を持ち出したせいで、美波はすっかり忘れていた。
「嫌……」
「え……? やっぱ、オレじゃダメ?」
 落ち込む直哉を見て、美波は顔を覗き込んだ。
「ちゃんとした場所で、プロポーズして? 誰にでも言えるような所で。特別な場所じゃなくてもいいから……」
 微笑む美波を見て、直哉も笑顔で頷いた。
「結婚式の前に、結納とかしたいなあ。それより前に、両親への挨拶かあ」
 直哉が一人で盛り上がり出す。
 挨拶、結納、結婚式。
 それを考えると、美波は小説の工程より面倒だと思ってしまった。



 おわり



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