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官能小説家のリアル
第9章 絆
直哉が差し出した手に、美波が指を絡める。
それを支えにして動いていると、下からも激しい突き上げ。
「あぁっ、はぁっ」
両手に指を絡めると、少し不安定な状態になる。そのせいで美波の膝に力が入り、直哉は余計に締め付けられた。
「あんっ、直、哉っ、んんっ」
美波が、耐えられないと言うように頭を振る。
それを見た直哉は、更に激しく突き上げた。
「ヤぁっ、あぁっ、もうっ、んっ、直、哉ぁっ! はぁっ……。んんっ……」
美波の体が、力なく崩れ落ちる。
柔らかい肌を胸に、直哉は髪を撫でた。
「あぁっ……。んっ……」
まだ呼吸の整わない美波をベッドへ降ろし、その体を抱きしめる。
熱を感じると、直哉は余計に愛しさを感じた。
「美波……。ずっと一緒にいたい」
ぼんやりとした頭でも、美波にははっきりと聞こえている。
「こんなこと言うと、重いのかもしれないけどさ。やっぱり、ずっと一緒にいたいと思う」
美波が首を振る。
「重くなんかない。嬉しいよ?」
「じゃあ……。結婚してください!」
急な言葉に、美波は声が出なかった。
「こんなオレとは、ヤダ?」
また美波が首を振る。
「嬉しいけど……」
「けど?」
美波が、考えるような表情を見せた。
「いつ、どこでプロポーズされたの? ってよく訊かれるでしょう? もう……。何て答えればいいの?」
「騎乗位でイった後、ベッドの上で」
直哉が笑っている。
美波が、わざと大きな溜息をつく。
直哉はそれにも笑った。
「いいじゃん。美波、騎乗位好きだろう?」
「な、何でっ?」
背中を撫ででからベッドを降りると、直哉は棚から雑誌を取ってベッドへ座り直す。
「えっと……。これ」
直哉は、雑誌Mに書いた小説の、桜子の挿絵を見せる。
飯野が桜子に指導したお蔭で、ラフの時よりも臨場感が増した。
「いつ読んだの?」
「買って読んだ。だって、美波がダメって言うから。ここにあるのに」
BLならまだいいが、男性向けの、男女のセックスシーンを読まれるのは恥ずかしい。それも、恋人の直哉に。