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官能小説家のリアル
第6章 アプローチ

自分の恋に悩んでいるのに、桜子の応援。
理不尽さを感じながらも、美波は桜子に質問をしていった。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
話が盛り上がったところで中座した美波は、言った通り原稿に向かっていた。
「ここがなぁ……。もっとこう……。んー……」
つい独り言が出てしまう。
それでも時折、自然とインターフォンの方へ視線を遣ってしまう。
美波からインターフォンは見えないし、鳴れば必ず聞こえるのに。
イベントに参加するのも決めたから、その原稿もある。
年末進行で苦しむ前に、必要な原稿は上げておきたかった。
直哉は今、何をしているだろう。そう考えてしまうと、止まらなくなる。
一人でマンションにいるのか。ここへ来なくなったから、友達と呑んでいるかもしれない。毎日、何を食べているのだろう。一人で摂る食事が淋しいのは、美波も充分知っている。
一つ溜息をつき頭を切り替えてから、美波は原稿に集中した。

