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官能小説家のリアル
第8章  変化


 ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆


 その晩何度も愛し合った二人は、昼頃目を覚ました。
「美波……? 酔い、醒めた?」
「ん……。多分……」
 ベッドに座った直哉が、美波を見る。
「じゃあ、覚えてないの? 昨夜、凄くやらしかったこと……」
 美波が無言で横を向く。
「やらしいこといっぱい言ってさあ」
 覚えてはいるが、美波は直哉に布団を被せて風呂へ行った。
 仕事のせい。美波はそう考える。
 セックスシーンを書いているから、自然と言葉に出てしまう。
「えっ!?」
「一緒に浴びよう?」
 直哉が浴室に入ってくる。
 シャワーの音で、ドアが開くまで気付かなかった。
「いいじゃん。洗ってあげるからさあ」
「いいよお。自分で洗うから」
 素面(しらふ)で、それもベッド以外では、裸を見られるのも恥ずかしい。
「ほら」
 直哉が美波の両手を掴み、壁に着ける。
「えっ? ヤぁっ」
 ボディーソープを付けた手で、直哉が乳房を揉む。
「もうっ、あんっ……」
 甘い声が出でしまい、美波が顔を紅くする。
「せっかく休みなんだからさあ……」
 そう言うと、その指が秘蕾へ入ってきた。
「あっ、ヤぁっ……」
「気持ち悦い?」
 美波は首を振ったが、それは嘘。
 昨夜の熱が残っていたのか、すぐに全身が熱くなる。
「はぁっ、んんっ」
 中で指を動かされ、自然と腰が揺れてしまう。
「気持ち悦いだろう? ココ?」
「あんっ」
 奥の一点を責められ、美波が目を瞑る。
「んんっ、ヤぁっ」
 浴室内では声が響く。美波は、自分の喘ぎ声にも責められているようだった。
 指を抜いた直哉が、浴槽に寄りかかって座る。
「おいで?」
 浴室内は、直哉が少し膝を曲げれば座れる広さ。
「ほらっ」
 直哉に手を引かれ、美波は膝をついて彼の上に跨った。
「挿れて? 昨夜の、美波の台詞」
 美波は恥ずかしくて逃げようとしたが、ウエストを持った直哉にその場へ降ろされる。
「あぁっ」
 ボディーソープに助けられ、性器が秘蕾へと収まった。
「美波……。凄く締め付けてくるから……」
 そんなこと、美波は意識していない。感じるほど、自然に締め付けてしまう。


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