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官能小説家のリアル
第8章  変化


「ヤんっ、はぁっ」
 直哉に突き上げられ、美波は彼の肩に掴まった。
「美波も動いて?」
「んっ、あぁっ」
 ベッドでとは違う感覚。ボディーソープもクチュクチュと音を立て、浴室内に響いている。
 卑猥な音と自分の喘ぎがあちこちから聞こえる気がして、美波はそれにも煽られてしまう。
「あぁっ、んんっ」
 美波が動き始めると、直哉は乳首を撫でる。
 ヌルヌルした感触に、すぐに硬く尖っていく。
「はぁっ、あんっ」
「美波……。悦い……?」
「んんっ、あっ、悦いっ……」
 一度口にしてしまうと、恥ずかしさも半減する。
 性器が抜けそうな程上下し、彼の熱を感じた。
「あぁっ、はぁんっ」
 昨夜あんなに愛し合っても、一ヶ月振りの体はすぐに高まっていく。
「直、哉っ、あんっ、ヤぁっ」
「もうイきそう?」
 美波が首を振ったのは、否定ではない。直哉に訊かれた通りだったが、まだイきたくないと思った。出来るものなら、ずっと繋がっていたい。一つでいたい。
「あっ、あぁっ、ヤぁっ、ダメぇっ、んっ、直哉ぁっ! んんっ……」
 昨夜何度も味わった絶頂感。それが明るい浴室だと、別のものに感じる。
 力の抜けた美波を持ち上げると、直哉は性器を抜いて放出した。
 飛び散った白濁が、美波の乳房にかかる。
「美波……」
 お互いに息を乱しながら、そのまま抱きしめ合う。
 出しっぱなしのシャワーの音だけになり、暫くそのままでいた。



 風呂から出た直哉は、立ったままビールを呑みだす。
「昼間から……」
 部屋着に着替えてきた美波が、ソファーへ座る。
 改めて見たら、ベッドシーツがシワだらけだった。それが昨夜の激しさを物語るようで、美波はすぐに取り換えておいた。
「風呂上りの一杯だよ。休みなんだからいいじゃん?」
「有休でしょう?」
 会社勤めの経験が無い美波は、平日の昼間なのにと笑ってしまう。
「美波……」
 隣に座ってきた直哉に見つめられ、美波は言葉を待った。
「結婚しよう?」
「えっ!?」
 突然のことで、美波は動けなくなる。


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