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ひと夏の恋……そして……
第1章 進みだした時間
お互いにお互いがいれば幸せだと思うと、お互いに顔を見合わせて笑った。
そして真和はまたいろいろと話だし、話しにつかれた真和は私の腕の中で夢の中に落ちていった。
その安らかな寝顔をみながらそっと布団から抜け出し、浜辺に降り立った。
海辺には22時を過ぎてもそれなりに人はいる。
グループだったり恋人だったり、想い想いに夏を満喫していた。
そんな子たちを横目に私は砂浜をゆっくりと歩きながら潮風を感じる。
この島に来て8年。
高校1年の時、自分の家から逃げるようにこの島にやってきた。
あのままあの家にいたら私……きっと発狂していた。
家庭内暴力的な事に発展していたかもしれない。
もしかしたら両親を殺していたかもしれない。
それ程までにあの家は窮屈で私を追い込んでいた。
だから精神的ぎりぎりなところで、叔母さんがいるこの島に逃げ込んで今がある。
あの時、叔母さんと夏樹に出会っていなければ、こうやって笑っていられなかったと思う……


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