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没落お嬢さま
第4章 第三夜
「違うよ。そこじゃない。
君の立つポジションは、あそこだろ」

亮生が言った。
彼が指さした絨毯のあたりは、すでに乾いていたはずなのだが、表面はまだ変色したままだった。

再び、いずみが、顔を引きつらせたように感じられた。
それでも、彼女は、亮生の指示にと素直に従ったのである。

「待って。スリッパを脱ぐんだ。
素足で、そこに立つんだよ」

亮生のムチャ振りは続いた。
いずみは、不服そうな表情を浮かべながらも、命じられた通りに行なったのである。

「どうだい、自分が粗相した場所の感触は。
足の裏がムズムズしてるんじゃないのかい?
でも、それが君が受けて当然の罰なんだ。
そうやって、過去の自分の態度を反省したらいいのさ」

まるで学校の先生気どりで、亮生は言い放ったのだった。

いずみの方は、声を出さずに、顔色も変えないようにして、じっと耐え続けていたのである。
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