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没落お嬢さま
第47章 第四十六夜
「こんなもの、潰してしまった方がいいのです」

いずみが、眉一つ動かさずに、そう告げた。

「え、え?なんで?」

「あなたが誰かと交わっても、もう子種を与えられなくなるようにです」

「ど、どうして、そんな事を・・・」

「だって、必要ありません」

「だ、だから、なんで?」

いずみは、苦痛にもがいている亮生の姿を見つめながら、さらに握力を強めていった。

「私のおなかには、あなたの子供がいるのです」

彼女は、静かに、そう告げたのだった。
亮生の驚いた表情を眺めながら、いずみは、一気に彼のフクロを握りしめたのだ。

その凄まじい激痛に、亮生は目を剥いて、悶絶した。

と同時に、部屋のドアが外から勢いよく押し開かれたのだ。

いずみはハッとして、その方向に目をやった。

亮生の母が、応援を呼んで、ドアをぶち壊して、こじ開けたのである。
ドアを叩き破って、真っ先に部屋に乗り込んできたのは、使用人の永山であった。
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