この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
お嬢様は幽霊執事にお困りのようです
第2章 2
握られている手が痛くなるほど、彼は私の傍を離れたくないと伝えてくる。
私と出逢うまで、きっと彼は誰にも見つけられず、何日も何年も途方に暮れる程の時間を過ごしたことだろう。
表面上はそんなこと分かっていた筈だった。
しかし――彼からすればそれはこんなにも渇望する事で、こんなにも必死になる事だと。そんなこと私は、考えもしていなかった。
「お嬢様お願いです。どうか私を傍においてください。
もう少し、数カ月、いえ、数日でも構いません。貴女を諦めきれる日が来れば、私は自ら離れます。飽きたら捨てても構いません。ですから、どうか――」
やめてよ。
「どうか私を放り出さないでください!!」
そんな顔しないでよ。そんな泣きそうな顔しないでよ。そんな顔で卑下するような言葉を言わないでよ。
私と出逢うまで、きっと彼は誰にも見つけられず、何日も何年も途方に暮れる程の時間を過ごしたことだろう。
表面上はそんなこと分かっていた筈だった。
しかし――彼からすればそれはこんなにも渇望する事で、こんなにも必死になる事だと。そんなこと私は、考えもしていなかった。
「お嬢様お願いです。どうか私を傍においてください。
もう少し、数カ月、いえ、数日でも構いません。貴女を諦めきれる日が来れば、私は自ら離れます。飽きたら捨てても構いません。ですから、どうか――」
やめてよ。
「どうか私を放り出さないでください!!」
そんな顔しないでよ。そんな泣きそうな顔しないでよ。そんな顔で卑下するような言葉を言わないでよ。