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星逢いの灯台守
第5章 星逢いの灯台守
静かに嗚咽を漏らす宮緒を、由貴子は黙って抱きしめ続けた。

しばらくして、由貴子がそっと口を開いた。
「…ねえ、真紘さん。
私が貴方の灯台守になるわ」
「…灯台守?」
由貴子の腕の中から見上げるその美しい貌が満月と星々の光と…そして遠くの海を照らす灯台のあえかな灯りにより清らに奇跡のように輝いていた。

「…貴方が迷子にならないように、私が貴方を照らすの…。
…だから貴方も必ず私のもとに戻って来てね」
…どんなことがあっても…生涯、離れずに…。

「…由貴子…」
華奢な肩を愛の仕草で引き寄せる。
海に映る影絵のような二人のシルエットが、ひとつになる。

…愛している…。
同時に囁かれた愛の言葉は、静かな海のさざ波の音に甘く柔らかく溶け…やがて永遠の向こうへと広がっていった。



〜la fin〜


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