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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第6章 会社の同僚「蛇塚さん」


────お風呂上がり。


シャワーを浴び終えた私達は悪戦苦闘して……

…いや違う。
「私達は」というより、「私は」だ。


「んぁぁぁ分からない、お宝写真ってなんなんだろう…。」


スマホを手にして彼の写真を撮ってみるも、
あまりに普通すぎるのしか撮れず、ひたすら頭を悩ませていた。

お宝写真の定義が分からない…辞書にも載ってない…。


「別に指でいいじゃないっすか。指だけとかレアすぎますよ。」
「レアはレアでも嫌なレアだよね、それ?」


そして、白馬くんは非常にどうでもよさそう。
まぁそうだよね、
あなたはどちらかといえば巻き込まれてる側だもんね。


さて、どうしたものか。
被写体があまりにやる気がないから、
全くいい感じのが撮れない。

「う〜」と唸りながらベッドに倒れ込むと、
見兼ねた白馬くんがサラッとぶっ飛んだ発言をした。


「…仕方ない、じゃあ上裸撮りますか。」
「え?!」


戸惑う私のことなどつゆ知らず、
彼が着々と黒のロングTシャツを脱いでいく。

待って待って、確かに上裸はこの上ないお宝写真な上
被写体にやる気がなくてもいい感じになるけど!

な、なんだろうこのモヤモヤ。
なんというか、とにかく。


「白馬くん待って、なんか、なんかやだ!」
「はい?」


ベッドから飛び起き、
脱ぎかけたシャツを引っ張って阻止する。

だって、よくわかんないけど。
ここで駄々捏ねてもしょうがないって分かってるけど。


この身体は私だけが知っていたい。
なぜかそう思って仕方ないから。


白馬くんは脱ぎかけていたシャツを元に戻し、
身体ごと私の方に向けた。


「先輩どしたの?なにが嫌?」
「わ、わかんない…けど、なんか、他の人に見られたくない……って、ごめんなにこのワガママ忘れて……。」


自分でもわからない。
こんな感情知らないもん。
モヤモヤして、グルグルして、心が黒くなる感じ。

どうしようもない感覚に
手で顔を覆いながらベッドに倒れ込む。

すると、白馬くんのクスッとした笑い声と共に、
核心をついた言葉が柔らかく耳に届いた。




「先輩、それたぶん独占欲だよ。」





────独占、欲。



彼の大きな手が、あやすように私の頬を撫でる。

手を離してそっと彼に視線をやれば、
目を細めた優しい眼差しで私を見下ろしていた。

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