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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第7章 小さな変化
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一人頭を悩ませる私をよそに、
蛇塚さんはポンポンと私に言葉を投げてくる。
「ちなみにわたくしの勝手なイメージですとね!とにかくレディーファーストでお優しくて、」
「うん。」
実際は意地悪で甘えたがりな弟みたいだけど。
「純粋でどんなお願いも聞いてくれて、」
「うん…。」
実際は腹黒で、嫌なことはズバッと断ってくるけど。
「夜の営みも無理をさせず、優しく抱いてくださるの!」
「うーん…!」
実際は意識とばすほど無理させてくるけど…!
…なるほど、蛇塚さんはそんなイメージを持っているのか。
これは、ありのままを伝えるわけにはいかないね。
もれなく白馬くんの作り上げてきたキャラが崩壊する。
そして蛇塚さんも失望する。
「…うん、そだね、うん。そんな感じ。(遠い目)」
「やはり!さすが黒哉様ですわ!」
ここは無難に彼女のイメージに同意。
それが一番平和で丸く治まるもん。
あぁ、理想通りだと知って喜ぶ彼女の姿が辛い。
罪悪感で心が痛む……ごめん蛇塚さん。
心の中でそっと謝っていると、
「そういえば!」と彼女が突然口を開いた。
「わたくし最近、護身術を習っておりますの。」
「護身術?」
…って、あれだよね。
襲いかかる相手から身を守るための武術だよね。
「えぇ!そのおかげで、以前痴漢されそうになったとき、咄嗟に対応して犯人を取り押さえられましたの。
近頃物騒ですし、ユイさんも学んでおいて損はありませんわ!」
す、すごい。
犯人取り押さえるとかカッコ良すぎるよ蛇塚さん…!
でも、うん、確かに。
私も平田くんの件があって思ったけど、
自分の身は自分で守ってナンボだよね。
あのとき護身術を習得してたら、
白馬くんにも危ない目に遭わせず済んだし。
「いいね、私も習おうかな。」
私がそう返すと、彼女は嬉しそうに目を輝かせ、
そして。
「ぜひぜひ!もしよろしければ今から向かいましょう!」
「今から?!」
また突飛な発言をしだした。
朝から蛇塚さんの行動力がすごすぎて感服してるよ。
私も思い切りはいい方だけど、
周りの人たちがことごとく上を行くんだよね。
いやぁ、キャラが濃い。
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