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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子




「お、おい聞いてねぇよなんで女がいやがる……。」



うささんの身体が、怯えたウサギのように震えだす。
それを見て、白馬くんが何かを思い出したように
「あぁ」と口にした。


「そういえばうさ、女性苦手なんだっけ?」
「忘れてんじゃねぇよてめぇ……。」


……そうなんだ、なんだか意外だ。
さっきの印象からして、
女の子をからかってそうな感じなのに。

えっと、うん。
とりあえずここは謝ろう。


「うささんごめんなさい、私があなたにお会いしたいと彼に頼んでしまって……。」


すると、うささんはビクッと反応し、
白馬くんに隠れながらも私の目を見て答えてくれた。


「お、ぉぉおう俺こそ悪ぃな、初対面のやつ相手に怯えちまってよ。ここの神主してる兎谷仁(うさぎたに じん)だ。よろしくな。」

「山下ユイです。私も少し男性怖いですしお互い様です。お気になさらないでください。」


彼のキツめな見た目にそぐわず、礼儀正しい挨拶。

神主なら、つまりは神社の息子ってことかな。
というか、うささんにくっつかれて白馬くん鬱陶しそう。


「うさ、とりあえず中入れて。歩き疲れた。」
「お、おうそうだな。まぁ入れよ。」


うささんが社務所の扉を大きく開け、
私達を中に案内する。

すごい、昔ながらの和室って感じだ。
畳のいい匂いがする。

そんなことを思いながら、
通された客間に足を踏み入れると。


「えっ。」


そこにはまさかの人物が先に座っていた。





「アッ!黒哉クンとユイサン!お久しぶりデス〜!」





こちらを見て嬉しそうに手を振る
金髪で褐色肌の外国人。
そしてカタコトの日本語。

うん、紛れもなくフリだ。

白馬くんはこのこと知ってたのかな……
と思って横目で見たら、すごく嫌そうな顔してた。
そっか、聞いてなかったんだね。


「フリ久しぶり、どうしてここにいるの?」
「たまたま神社通りがかったから寄ったデス!」


うーん流石。
なんてフットワークが軽いの。

すると、そのやり取りを見ていたうささんが、
驚いた表情で私を見た。


「お、おい、あの白馬が女の頼みごと聞く上、バーサーカーとも仲良しとかどういうことだよ……。」


え、バーサーカー?


彼の言葉にはてなマークを浮かべていると、
見かねた白馬くんが口を開いた。


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