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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子


「前にうさがフリを怒らせちゃったことがあったんだよ。その狂い具合がバーサーカーみたいだったから、こいつバーサーカー呼びしてんの。」

「へ、へぇ……。」


フリが怒るって想像つかないけど、
一体何をしたんだろう……。

白馬くんの言葉に、
フリが黒い笑みを浮かべてうささんを見た。

そして、フリ本人がまさかの理由を告げる。



「あのとき唐揚げを食べられた恨み、まだ忘れてませんカラネ。」



え、ええええぇぇぇぇぇ

彼らしいっちゃ彼らしいけど、
怒った理由がただの小学生!
そしてかなり根に持ってらっしゃる!

食べちゃったうささんが悪いけど、
これは少し同情する域だ……。

遠い目で彼らの様子を眺めていると、
フリがニコッといつも通りの笑みを浮かべて
顔をこちらに向けた。


「ところでユイサンと黒哉クン!あのあとちゃんと恋人同士になれましたカ??」

「へっ?!」


突然の彼の発言に顔が赤くなる。

そっか、そういえばフリと会うのは
白馬くんの誕生日以来なんだった。


すると、白馬くんは表情を変えず、
ひと呼吸おいてフリの元へ向かった。

そのまま犬を褒めるように
ワシャワシャとフリの頭を撫でる。


「はいはい、なれましたよ。ありがとな。」
「おおっ!それは良かったデス!おめでとうございマス!」


嬉しそうにパチパチ拍手するフリ。
嬉しいやら気恥ずかしいやら。

……まぁそれはいいとして。


「おい待てよ、あの白馬に恋人だと……?!」


さっきから私が乱入したせいで
うささんが混乱しっぱなしなんだよね。
なんだかすごく申し訳ない。


うささんの反応に、
白馬くんがジトッとした目で彼を睨んだ。


「なに、俺に彼女いちゃ変?」
「いやだってお前、あんなに女と遊びまくって……
って、あっ。」


うささんが「しまった」というように
咄嗟に手で口を塞ぐ。


あぁ、私に気を遣ってくれたのかな。


「うささん大丈夫ですよ。彼の過去は本人から教えてもらいましたから。」
「はぁ?!マジかよ?!」


……やっぱり、
白馬くん秘密主義だから基本人に話さないんだ。
教えてもらったのって凄いことなんだね。

うささんが私を見てすごく呆然としてる。


「……なんか色々意外すぎっけど、まぁ適当に座れよ。茶菓子でも出すわ。」


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