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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第11章 神社の息子


白馬くんの言葉に、
うささんが必死に首を縦に振る。

「お前の女に手出すとか、そんな命捨てるマネしねぇよ……つか普通に女苦手だし……。」
「よし。」


うささんの反応を見て、
白馬くんが彼の肩に置いていた手を離した。

そのまま踵を返してフリの方に戻っていく。


「じゃあフリ行くぞ。」
「ハイデス〜。独占欲強いですね黒哉クンは。」


フリが面白そうに笑いながら、二人で部屋を出ていく。
パタリと閉められる襖。


……本格的にうささんと二人きりだ。


気まずい雰囲気に一人戸惑っていると、
まさかのうささんから私に話しかけてくれた。


「……アンタすげぇな。あんな白馬初めて見たわ。」
「え?」


彼の言葉にキョトンとする。
うささんは私には目を向けず、
視線を下に落として話を続けた。

……先程までと全く違う、少し弱々しい雰囲気。


「アイツ、何でも見透かしてきやがんだろ?だから、そのぶん人間不信っつうか、特に女に対してはかなり毛嫌ってたからよ。彼女がいるとかマジびびったわ。」


軽く笑いながら、淡々と言葉を紡いでいく彼。

確かに、白馬くんの高校時代を聞くと
そんな感じだったかも。
それでも愛情が欲しくて関わってた、みたいな。


すると、うささんは何か思い出したように、
ふと顔を上げて私の方を向いてきた。


「……そういやアンタ、男が怖いっつってたな。白馬の彼女なのにどうしてだ?」


ごもっともな質問。
男が怖いのに彼氏がいるとか、
ちょっと不思議な感じだもんね。

サラッと説明するだけでいいかな。


「えっと、実はわたしの元彼が暴力癖がある人で。自分じゃどうにも出来ないところを、白馬くんが助けてくれたんです。彼がいなかったら、きっと病院送りになってました。」


明るく笑いながら話すと、
「笑い事じゃねぇだろ」とツッコまれてしまった。

そして、彼は頬杖をつきながら、
なにか考え込むように視線を横に向ける。


「……なるほどな、アイツが女の為に、か。人って変わるもんなんだな。」


彼が自嘲するようにポツリと呟く。

……なんとなくだけど、
この人も白馬くんと同じ感じがする。

女性が苦手と言っているけど、
心の底から苦手というわけじゃなくて。

トラウマとかかな。

私とは普通に話せてるし、なにか複雑な理由がありそう。


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