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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第3章 本物のヒーロー


恥ずかしすぎる本音に、
とてもじゃないが目を開けられない。

今どんな顔で私を見てるんだろ。
意地悪く微笑んでるかドン引きしてるかのどっちかかな。

すると、私の頬に当てられていた手がスルリと下ろされ、彼は小さく自嘲するように呟いた。




「…夢の自分に嫉妬するとかクソだっせぇ…。」
「え?」




うまく聞き取れず、目を開けたその瞬間。


唇になにか柔らかいものが触れた。
目の前にはボヤけてしまうほどに近い、白馬くんの顔。

え、私キスされてる?

突然のことに頭が追いつかない。
ひたすら呆気にとられていると、
触れていた唇がそっと離された。




「…ごめんね、先輩。唇奪っちゃった。」




獲物を捉える肉食獣のような目。
夢と同じ表情に、ゾクリと体が甘く疼く。



「は、白馬く……」
「…はぁぁぁくっそ、ほんとすみません先輩…。俺ずっと耐えてたんスけど、ちょっと、もう、理性切れそう。」


頭を抱えながら辛そうに本音を暴露される。

今なお必死に堪える彼の表情は、
溺れてしまいそうなほどの色気に満ちていて。


────彼がいなかったら、
私はまだ平田くんに縛られてた。
大きな怪我だってしてたかも。

それだけじゃない。
きっと職場での息苦しさも凄かったと思う。

彼にはもう、これ以上ないほど助けられてる。


…今の私にできること。


私はゆっくり上体を起こし、
ソファの上で正座をする。

そして、真っ直ぐ彼の目を見つめて思いを告げた。

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