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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第5章 サプライズ


────山下サイド────


…どど、どうしよう。
白馬くんと二人きりは嬉しいけど正直心臓がもたない…!

しかもこれ多分、私の反応見て決めたよね?
付き合いそれなりに長いもん、それくらい分かるよ。


ぁぁぁぁ待ってどうしてこうなったんだろ。
ちょっと整理しなきゃ。
私も急展開すぎて頭が追いついてない。


えっと、まず。
元はフリ(そう呼んでって言われたの)が話を持ちかけてきたからでありまして。

ホントは白馬くんに一日関わらないでもらって、
その日のうちに気持ちの整理をつけようとしたのよ。
好きって自覚しても、
白馬くん好きな人いるって知ってたし。


まぁ結論としては、当たって砕けろ。

こんな曖昧で居続けるのも嫌だから、
玉砕覚悟で告白することに決めたの。
それで元通り、先輩と後輩でいられたらって。


…なんだけど、その日の夜に、
知らない番号から電話がかかってきて────





「…はい、もしもし。」
『もしもーし!ユイサンですカ?平田サンの件でお世話になりマシタ、フリーデンデス!』

あっ、あの笑顔で平田くん追い詰めてた外国人さんだ。

「はい、その節は大変お世話になりました。」
『いえいえ〜!それでデスネ、ちょーっとお聞きしたいことがありまシテ。』



そこで言われた言葉は。



────「えっ、次の土曜日が白馬くんの誕生日?!」

『デスデス!やっぱりご存知ナカッタ〜。黒哉クン秘密主義だから、ユイサンも知らないかもと思っテ!』


まさかの白馬くんの誕生日についてだった。
次の土曜ってかなり時間がない。
何かしたいけど、正直この複雑な感情を抱えたままするのも抵抗がある。

先輩としてお祝いする?
…でも、もう私自身、そういう関係として見れなくなってきてる。


ひたすら思考が堂々巡りで返答に詰まっていると、
向こうからまさかの助け舟が出された。


『それでもし良かったらなんですケドネ?僕と二人で、黒哉クンにSurprise!しませんカ??』


さ、流石ネイティブ。サプライズの発音がすごい。

いやそれより。
二人でってかなり良い条件なんじゃなかろうか。
白馬くんと二人きりは気まずくても、
誰か一人いてくれればかなり気が楽になる。


…フラれる前に、少しは恋を楽しんでみてもいいかな。


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