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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第5章 サプライズ

「わかりました、ぜひ。」


そう思った私は、彼の提案をのんだ。




……で。
サプライズって言うから入念な打ち合わせとかあると思ってたんだけど、フリからはただこれだけ。

『当日黒哉クン家に突撃して、適当に料理作って夜にお祝いしまショウ!』

…あまりにガバガバなサプライズ計画だった。
もはやサプライズと呼べるのか。

もう少し、こう、いいプランはないのか聞くと、
『じゃあ三人で買い物に行って、そこで買った食材で料理しまショウ』と。
なんだこれ、計画緩すぎて可愛いぞ。


とはいっても、私も特に良いプランは思い浮かばなかったから、そのまま受け入れたの。

緩くてもサプライズはサプライズ。

バレたらだめだと思って、
あと五日間…当日まで関わらないように白馬くんにお願いして。
…ほら、彼すぐ見抜いてくるからさ。



それで現在。

実際に二人で突撃訪問し、
今ここにいる訳なのですが────



き、聞いてない、フリがいなくなるとか聞いてない…!


煮込みハンバーグとスープ、シーザーサラダを作ろうと買い物中。
まさか二人きりになるなんて。
もうどうしたらいいんだろ、顔見れないよ。

あと、好きって自覚してからやけにカッコよく見える不思議。
見た目は元々カッコいいけど、中身子供っぽいじゃない?
それでも、なんかそこも含めて好きっていうかさ。

…あぁもう手遅れだ、ベタ惚れしてる。


「先輩何買うの?」
「えっ?あ、うんとね、これなんだけど…。」

私の持つメモを覗き込んでくる白馬くん。
ぁぁぁぁぁ近い。そして顔綺麗。
軽く視界の暴力だってこれ。

「ふぅん。卵、ひき肉、玉ねぎ、パン粉…。ハンバーグ作んの?」

流石。内容察するの早い。

「う、うん。美味しく出来るかはわからないけど。」
「…へぇ。その口振りは先輩作ってくれるんだ?楽しみにしてる。」

彼がやんわり微笑んで視線を元に戻す。

あれ。これバレちゃいけないところまでバレてるのかな。
でも白馬くんの誕生日でってことは知られてない感じだから、まだギリギリセーフっぽい。


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