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第5章 　漏洩

　奥原琴葉はミス大学に選ばれた経歴を誇る美女。

　「総理、問題はスポンサーです。アダルト動画もどきの番組に企業がお金を出しますかどうか。まず無理でしょう。企業イメージにキズが付きます。キズが付くどころの話ではございません。そんな企業の商品は女性から総スカンです」

「奥原さん、スポンサーの問題につきましては、番組の質をよりクリエイティブにすることが・・・、あっ失礼しました。より創造性のある質の高い番組にすることが肝要かと存じます。品位のある芸術的な作品を提供できればスポンサーも安心するのではないでしょうか」

　経産省・井上真吾が奥原発言をやんわりと補足した。
　
　「おっしゃる通りですわ、井上さん」　

　それまで鋭い批判発言を繰り返していた奥原が井上の補足意見を素直に受け入れた。

　二人の論議にはどこかイチャついた雰囲気が漂っていた。
　もはや矢部首相の脳みそは収拾のつかない混乱状態。
　男女官僚の複雑な関係も絡み、右から左から飛び出す賛否両論に、オーバーヒートしてしまったのだ。