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第5章 　漏洩

　出世競争に目が眩んだ官僚達からは新たな提案が次々に飛び出した。

　「矢部首相、ＴＶだけではありません。映画も同じです」厚労省・杉崎正孝から新たな提案だ。

　「と言うと･･･？」
　「この際、イタリアのカンヌ映画祭に負けない「官能映画祭」を政府の後援で開催し、世界の、そして我国の官能映画の芸術性、過激性を一気に引き上げ、さらに国民への浸透・普及を図るというのは如何でしょうか」
　「官能映画祭か！面白い。文化庁はただちに企画立案実行に着手しなさい。予算はふんだんに使っていい」
　「了解いたしました」文科省・三村が頷く。

　「矢部首相、テレビや映画だけではありません。小説も奨励する必要があります」

　経産省・井上真吾から追加の提案だ。

　「当然だ」
　「矢部首相･･･といいますと、「官能小説大賞」を創設するのでしょうか」

　文科省・霧島一美が確認の発言。

　「芥川賞や直木賞に負けない賞金を用意し、入賞作品は教科書に載せてはどうか」

　「エーッ」