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第7章 　危機からの脱出

　冒頭、厚労省・奥原琴葉が立ち上がった。

　「前回の会議では、肝心な婚姻制度の問題が残ってしまいました」
　「うむ。たしか、岡野君が触れていたな」
　「今回のような事態は想定内の問題です。それが、あの影絵漏洩問題で消し飛んでしまいした。改めて、問題提起します。それは、本当の親子関係が戸籍に反映しない場合の問題点であります」
　「わたしも、新聞やニュースは見ている。知らぬ間に近親婚を生む恐れがあるということだろう」
　「さすが矢部首相です。おっしゃっる通りにございます。まったく赤の他人と思っていた男女が、じつは同じ種付け男の種であった場合、近親婚になります」

　「そこで、新しい提案です。今後、すべての出世児のＤＮＡ検査を実施し、そのデータを国民番号カードにインプットし、結婚に当たっては戸籍謄本とともに、二人のＤＮＡ鑑定書の提出を義務付けてはどうでしょうか」
　「なるほど。韓流ドラマの世界だな」

　すると、環境省の蒼井瑠衣が手を上げた。
　
　「奥原さん、それでは、出来ちゃった婚の場合手遅れになります」

　そこに法務省・岡野詩音の発言が続いた。