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第7章 　危機からの脱出

　「皆さん、どうでしょうか、ＤＮＡ検査データをスマホに入れ、ＤＮＡ判定アプリで事前チェック。恋人同士がお互いのスマホを重ねると判定アプリが起動して、４親等以上ならハートマーク、３親等以内の場合は進入禁止マークと言うのはどうでしょうか」
　
　岡野の提案に会場から拍手が上がった。

　「すでに沢山の相性診断アプリは存在します。しかし、誕生日とか顔写真とか血液型とか、ほとんどが非科学的で、お遊び」
　「なるほどなるほど、そこに科学的なＤＮＡ判定を導入する訳だ」　
　「素晴しい」矢部首相も大喜び。

　こうした女性官僚の活躍もあり、矢部首相はその年の総選挙で辛くも勝利。
　中でも「ＤＮＡ鑑定書付き結婚制度」はその後世界に広まった。
　
　「ＤＮＡ判定アプリ」はさらに進化を続け、様々な劣性遺伝子同士の結婚を避ける手段として有効に活躍した。
　それだけではなく、若者の恋愛や結婚感の中に、結婚にはより遠い「血」を求める意識を生み出した。