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海猫たちの小夜曲
第2章 絶望の始まり ~海色のグラスと小麦色の少女①~
その日、あたしはお風呂を済ませると、ベッドで天井を見上げながら、高瀬さんの豪快な平手打ちを思い出していた。もし、あたしが普段から高瀬さんみたいに毅然としていたら、秀隆なんかに犯されることもなかったんじゃないだろうか。
そう思うと、少しだけ、あたしに力が湧くような気がした。
あんな写真がなんだ。
出せるもんなら、出してみろ。
あたしを強姦したことを学校に申し出て、あんたを破滅させてやる。
……もし、あたしが秀隆にそう言えるとしたら、どれほど楽だろう。
残念だが、当のあたしに、そんな度胸はなかった。
それに、学校の先生に申し出たとしても、あたしの言い分を信じてもらえるかは、微妙なところだろう。
秀隆は端くれとは言え、優等生だが、あたしは別段、成績が良いわけでもなく、バイトにかまけて平気で部活をサボる問題児だ。
バイト先でやりまくっているなんて噂まで立てられてしまっているわけで、品行という点から言えば、学校がどちらを信じるかは明らかだった。
もちろん、あたしからすれば、ふざけんなという話だけど。
そして、あたしのとりとめのない思考を中断するかのように、ノックもなしに、あたしの部屋の戸が開けられ、秀隆が入ってきた。
そう思うと、少しだけ、あたしに力が湧くような気がした。
あんな写真がなんだ。
出せるもんなら、出してみろ。
あたしを強姦したことを学校に申し出て、あんたを破滅させてやる。
……もし、あたしが秀隆にそう言えるとしたら、どれほど楽だろう。
残念だが、当のあたしに、そんな度胸はなかった。
それに、学校の先生に申し出たとしても、あたしの言い分を信じてもらえるかは、微妙なところだろう。
秀隆は端くれとは言え、優等生だが、あたしは別段、成績が良いわけでもなく、バイトにかまけて平気で部活をサボる問題児だ。
バイト先でやりまくっているなんて噂まで立てられてしまっているわけで、品行という点から言えば、学校がどちらを信じるかは明らかだった。
もちろん、あたしからすれば、ふざけんなという話だけど。
そして、あたしのとりとめのない思考を中断するかのように、ノックもなしに、あたしの部屋の戸が開けられ、秀隆が入ってきた。