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幼馴染以上恋人未満
第6章 思い出したくない過去
耳元で紘杜の声がする。

「ゴメン。泣かせるつもりはなかった・・・。ゴメン!」

抱きしめながら、頭を撫でられる。

「こんな風に、紘って呼んで欲しくはなかったなぁ・・・。」

そんな言葉を遠くに聞きながら、
俺は妙に安心して、そのあとすぐ、意識がなくなった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺は夢を見ていた。

佑夜と紘杜と三人で楽しく過ごしていたころの。

嬉しい気分に浸っていると、パッと場面が変わる。

「こいつら俺のダチなんだ!紹介するよ!」

笑う紘杜。

「なぁ、可愛いな、お前の親友。やってもイイか?」

ぞろぞろと図体の大きい奴らが近寄ってくる。

慌てて止めに入ろうとした紘杜に仲間の一人が耳打ちする。

内容は聞こえない。

でも、紘杜は戸惑ったように俺を見て、その場に座り込んだ。

助けてっ、紘!

その声に肩がわずかに動いたが、助けてはくれなかった。

紘杜の仲間の一人が俺のシャツに手をかける。

シャツを引き裂かれる。

涙で、紘杜の顔が歪む。紘杜の表情がわからない。

・・・いやだ、いやだ、怖いよ、怖いよっ!助けて、助けて、紘、ゆーやぁっ!



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