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第1章 飼い殺しの犬

「柚木が渡瀬から逃げなかったのは、共犯……だからだろ？

……だったら今度は、俺と共犯になろうぜ。柚木」


山下の手が僕の下肢を弄る。
そして竿を握ると、上下に扱いた。


「……あぁっ、……や、ゃめ……」


強い刺激が脳天を突き抜け、容赦なく思考を停止する。


「あ、あ………しぃ……、欲し……」


ぶるぶるぶるっ


「せん、ぱ………、ハァ……挿れ……れぇ……ハァ、はぁ……」


早く打って欲しくて、懇願した瞳を向ける。
口元が緩み、呂律は回らず……涎が口端からはしたなく垂れる。



「あげるよ。何度でも」


山下は、布団の脇に置かれたケースから注射器を取り出し、僕の腕に打つ。


「俺の柚木」


その瞳は、何処か淋しげに濡れ……光を揺らす。

僕の前髪を搔き上げる、優しい手。


「……終わったら、一緒に埋めに行こうな」







END