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第101章 イリュージョン

堂の木扉を開き、ギョロっと川面を見る。
雨は止まない。波紋は重なり合って、白くしぶく。

欄干を伝い、太鼓橋を渡る。
○雄は建物本館へ歩いていく。

鉄扉は無施錠であった。
コンクリート造の屋内へ忍び入る。

鉄扉の向こうにはセミナーハウス、ファイナンシャルプランニングオフィス、メディカルルームとプレートが掲示されていた。
それらは左右交互に配されている。
いずれの部屋も無人であった。