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第4章 紗季───サキ────
少しでも時間があれば一緒に居る時間を大事にしていたつもりだった……

でも彼氏が出来たと聞いた時に、あまりのショックに傍にいる事が出来ずに紗季の前から居なくなる事を選んだ

会計事務所の社長に相談した所、寮と言う名目で近くにアパートを借りてくれた。
恩に報いるためにも俺は必死で勉強をして資格をとった。

今もその事務所で働いている……

女っ気のない生活でも性欲は盛んな年頃だ…
紗季と生活していた時は毎日のようにしていたセックス

たまに人手がいないと頼まれるBARでのバイトで出会った女性と関係を持ち、溜まった性欲を吐き出していた

自分で言うのもなんだが、顔が良くてブツもデカい……
1度関係を持った女に勘違いされて付きまとわれるのは日常茶飯事。
店で抱いた女が鉢合わせて大喧嘩…なんて修羅場も何度あったか……
しつこく関係を迫られ、面倒で抱いてやれば彼女気取り……

俺が悪いのは分かっている。
性欲の捌け口としてしか女性を見ていなかったから……

そして思いついたのが、あのシステムだった……

それがいいと弁解するつもりはない……
でも手当り次第に……を卒業して、契約として割り切れる女性とのセックスを楽しむ事が出来るようになった


しかし

あれから4年たった今でも特定の彼女を作らなかったのは今でも紗季を好きだからだった……


時折、紗季から連絡が入るとこうして会って、体を重ねる……
そんな関係が4年……

まさか……あれが嘘で、本当の理由が不安だったから……?

「紗季……どうして?」
「社会人になって……恭弥といる時間が無くなって……」

落ち着くようにその頭をゆっくり撫でる……

「今までは恭弥の事は何でも知ってるつもりだったのに……」
「うん……それで?」
「どんどん私の知らない恭弥になってく気がして不安で……」
「馬鹿だな……」
「だって……夜も帰ってこないし……」
「BARでバイトしてるって言ってただろ?」
「女の人も……来るから……それで……」
どんどん小さくなる声……
「他の女とセックスしてると思った?」
「……うん……」

ダメなのに顔がニヤける……

「俺さ……それどころじゃなかった…必死だったからあの時」
「……うん……ごめん」
「紗季に彼氏が出来たって聞いて俺すげぇショックで……」
「……出ていくとは……思わなくて…」
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