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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第4章 波瀾万丈の飲み会

あれからも来客や社員からの取り次ぎと、忙しい受付業務が漸く終わり、晴れて退社時間。
時間外の受付等はしていないので、エントランスは基本的な就業時間のみ。後は守衛さんの仕事になるから、私達はいつも定時帰りが当たり前。

「お疲れさまでしたぁー!
さぁ飲み会だわ。奏多も行くでしょう?」
「私?
特に行きたくは……」
「もう参加人数に入れてるもの、行くきゃないっしょ!」
「えぇー!!
ちょ、朝陽また勝手に入れてる!」
「私は奏多と一緒が良いんだもの。ね、行こう?」
「仕方ないなー」

いつもこんな感じ。
私自身が進んで参加することは少ないのに、朝陽がこうしてメンバーにしちゃうのよ。
ズルズルと引きずられて行く感満載。……でも嫌な感じがしないのは朝陽だから?

初めは同い年の同僚だと思った。
新人研修中も一緒で、なにかと私の世話を焼きたがる朝陽。
その内に名前で呼び合うようになり、今では大の仲良し。
ちょっと強引なところもあるけれど、社会人になって友達が少なくなってしまった私には、大切な同僚でもあり友達でもあるのよね。
そんな思いもあり、朝陽の勧誘を断りきれないのかもしれない。

「今日は豪華な店なの!」
「豪華って?」
「聞いたことない?
この会社の近くにあって、一般から偉い人まで使う創作料理の店。そこが今日の一次会の場所なのよね」
「うそぉー!
よく予約が取れたね。いつも予約が埋まってるので有名な店なのに」
「そこは営業さん達が頑張ったみたいよぉー。
ささ、楽しいお酒に、美味しい料理を堪能しにしゅっぱーつ!」
「ぷっ、はいはい」

なにかと盛り上げてくれる朝陽には感謝してる。
私一人じゃ、こんなことは出来ないよ。ありがとう。

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