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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第8章 営業マンは受付嬢が好み

予想は、どちらも大外れ。
外が長引いたらしく、就業時間内に三科さんが戻って来ることはなかった。

そして、朝陽のアフター飲み会も減ったのよ!
前はほぼ毎日だったのに、最近は週末に行くか行かないか程度。この変わりようはなに? 先抜けしたあの日から、朝陽も変化たと思う。

そんな理由で、直下の帰宅は私一人。
それはいいのよ、元々一人だったんだから。
……うんん、少し物足りないのかな私。気は進まなかったといえど、あれだけ朝陽とアフターしていたんだよ。

(夏も過ぎて涼しくなったのに……。だけど一人で飲みに行く勇気は、私にはまだないのよね)

みんな居酒屋とかバーに一人で行くと言っている。男性不振が緩和したんだから、堂々と一人で行けばいいのに、こんなところは引っ込み思案のまま。
簡単には変わらないよね、人の性格って。私もまだ全ては変われないで居る。

帰宅の流れ的に電車に乗ろうと駅に向かう私、でもそれは意外な人に止められてしまうことになる。

「おーーい、夏目さーーん!」
「!?!?」

誰よ。こんな街中で大声で名前を呼ぶ人なんて。
私と思われるのが恥ずかしくて、無視して駅に入ってしまおうとすれば、叫んだ人物のほうが先に追い付いてしまった。

「待って……夏目さん」
「……三科さん? 直帰と聞いてましたが」
「契約成立で会社に戻ったんだ。そうしたら夏目さんが帰るのが見えて、資料だけ置いて、慌てて追いかけた」
「……どうして?」

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