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第5章 第５話

「もういい…お前の話はよぉわかった…もういい…」

先輩は、ひでとに対してもう忘れろと言いましてウーロン茶を注文しようと思っていました。

そこへ、女性の店員さんが座敷の入り口のところにやって来て、ふすま越しに２人に言いました。

「お客様…下の方に今治の警察署の刑事さんが３人来てはります…ほんで、お客様とお話がしたいと言うてはりますが…」

たいへんだ…

今治から刑事がやって来たみたいだ…

もしかしたら、昼間の事件のことなのか…

ひでとのせすじに激しいセンリツが走っていましたので、どうすることもできずに頭がサクラン状態におちいってしまいました。

先輩はケーソツな声で『すぐにゆきますので待ってください。』と女性の店員さんに伝えました。

ひでとは、先輩にこう言いました。

「先輩。」
「ケーサツが来たみたいだ。」
「そんな。」
「お前のことをパクりに来たのだよきっと…」
「そんな…どないしたらええねん!?」
「落ち着けよ…この店の非常口知っているからついてこい!!」
「非常口？」
「逃げるのだよ!!」
「先輩!!」
「ええからついてこい!!」

ひでとは、先輩に言われるがままに店の非常口がある場所まで行きました後、そのまま逃走しました。

ひでとと先輩は、そのまま宇和島でボクシングジムを経営している知人のもとへ逃亡をはかりました。

その頃でありましたが、玉川と朝倉の境目の森林では愛媛県警の捜査１課の刑事たちが事件現場の捜索を行っていました。

この時に、女の子が無残に刃物で切り裂かれた状態で発見されましたが、事件に使われた車とひろひこの行方が分からなくなっていたので、刑事たちはものすごくイライラとした状態で捜索にあたっていました。

事件に使われた車はどこなんだ…

女の子を犯して死なせた容疑者の身元を一刻でもはやく割り出して検挙しなければ…

急げ…

時間がない…

早くしないと…

手遅れになってしまう…