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第6章 第６話

さて、その頃でありました。

ところ変わりまして、産業道路沿いにあります業務スーパーの店内にて…

あやみはあやのを連れて今夜の晩ごはんの食材の買い出しに来ていました。

あやみは、あやねとあかねが家に帰ってくることを信じて今夜はふたりが大好きなハヤシライスを作ってあげようと思っていたので、ハヤシライスの材料を買っていました。

白のブラウスとピンク系のペイズリー柄のシフォンスカート姿のあやみは、あやのの手をつないで買い出しを楽しんでいました。

「ママ。」
「なあに？」
「今夜はなにかなぁ？」
「今夜はね…あやねおねーちゃんとあかねおねーちゃんがだーいすきなハヤシライスよ。」
「ハヤシライス。」
「そうよ。」
「ハヤシライスと聞いたらあやねおねーちゃんとあかねおねーちゃん帰ってくるのかなぁ？」
「帰ってくるわよ…あやねおねーちゃんとあかねおねーちゃんはハヤシライスソースの香りをたどっておうちへ帰って来るから大丈夫よ。」
「本当に？」
「ええ、本当よ。」
「わーい、あやねおねーちゃんとあかねおねーちゃんが帰ってくる…あやねおねーちゃんとあかねおねーちゃんに会える…」

あやのは、あやねとあかねが帰ってくるとはしゃいでいました。

しかし、その幸せも買い出しを終えて帰る途中であっけらかんに崩れてしまいました。

あやみとあやのは、業務スーパーを出た後に城東橋の近くのファミマの交差点を左に回って、鳥生の旧道へ続く道路を歩いて家へ向かっていました。

あやみは、その途中にあります古びたマンションの玄関付近で家の近所の奧さまと会いました。

近所の奧さまは、業務スーパーで買い出しを終えて同じ方向へ向かっていた途中でありましたので、あやみに声をかけました。