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第8章 第８話

８月13日の朝９時半過ぎのことでありました。

なおとが気に入らないインテリの男は亡くなりましたが、職場の上司は別の男性を後任にしてなおとに引き継ぎをお願いすることにしていたので、ますますイコジになっていました。

この時、なおとがまだ職場に出勤していませんでしたので、上司はなおとの家に電話をして後任の人を選びなおしたから引き継ぎをお願いしますと重ねて求めていました。

しかし、なおとが家にいなかったので母親が電話の応対をしていました。

「もしもし…すみません…本人はまだ寝ていますので…起きましたら電話をするように言うておきます…ごめいわくをおかけいたしましてもうしわけございませんでした。」

母親は、受話器を置いた後に大きくため息をついてから『なおとは一体どこへ行ってしまったのかしらね…』と言いましてブツブツと言うていました。

しかし、今のなおとの気持ちは職場に対して激しい怒りを抱いていたので、この後より過激な行動に出てしまいました。

その頃でありました。

なおとがいる職場では、なおとの上司が後任の男性と一緒になおとが来るのを待っていましたが、なおとがまだ来ていなかったのでソワソワとしていました。

新たに選ばれた後任の男性は、上司の旧友のひとり息子さんで、前に勤めていた職場がイヤになってやめた後に旧友の頼みで旧友の知人の知人のコネで数ヶ月前に入ってきた人でありました。

なおとの上司は、イライラとした表情でもう一度なおとの家に電話をしようとしていましたが、その時に事務の女性が後任の男性に怒った声で親展と書かれている封書を叩きつけました。

親展書は、法人で契約しているクレジットカードの請求書でなおとの後任の男性に宛てられていました。

親展書の下の封筒は、Ｈビデオ動画の配信サイトの案内状が入っていました。