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蘇州の夜啼鳥
第2章 かりそめの恋
…長く甘い口づけを交わす。
唇を優しく…けれど大胆に奪いながら、片岡は暁蕾を抱き上げる。
「…んんっ…片岡…さ…」
片岡の首筋に両腕をしがみつかせ、暁蕾は切なげに吐息を漏らした。
幼い子どもを抱くように、しっかりと抱きしめながら、優しくキスを続ける。
「…シャオ…レイ…」
その美しい音楽のような名前を呼びながら、唇を食む。
官能的な口づけになるのに、そう時間はかからなかった。
熱く見つめ合い…深いキスを交わし合いながら、強く抱きしめ合う。
片岡はそのままバルコニーを抜け、部屋に入った。

寝台の紗幕を無造作に跳ね上げ、抱きかかえてた暁蕾をシーツに降ろす。
そのまま暁蕾に引き寄せられ、片岡の身体が重なる。
「…好き…大好き…」
片岡はジャケットを脱ぎながら、キスを続ける。
「…シャオレイ…可愛い…」
舌を絡ませ口内を弄りながら、甘く息を弾ませ合う。
二人は広い寝台を転がる。
その拍子に、暁蕾の三つ編みのリボンが解けた。
長く美しい黒髪がふわりと靡く。
シーツに広がるその髪を手に取り、愛おしげに口づける。
そのまま髪を梳き上げ、顔を近づける。

「…君が欲しい…」
片岡の低い声に、暁蕾は長い睫毛を震わせる。
そうして、男の逞しい胸にぎゅっとしがみついた。
「…私も…」
小さな声が答えた。

…雨音は、一層激しくなった。
二人を、密やかに、この寝台に閉じ込めるかのように…。










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