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蘇州の夜啼鳥
第2章 かりそめの恋
「…それでは皆さん、これからお待ちかねの飲茶タイムになります。
飲茶はあちらの小蓮茶館の本館です。
私のお薦めは小籠包と豆腐花、エッグタルト…他にもメニューは豊富にあります。
お好きなものをお好きなだけオーダーしてください。
お茶は東方美人が、ヨーロッパの紅茶に良く似ていて飲みやすいですよ。お土産にもお薦めです。
ドライフルーツなどはご自由にお試しください。
それでは、ごゆっくりお楽しみくださいね。
…お戻り時間は午後4時です。
それまでに、こちらにいらしてください」

拙政園の東園…古い見事な蓮池の石橋の上で、暁蕾は欧米人の団体客相手に綺麗な英語で巧みにアナウンスをしていた。
…美しい黒髪を一つに纏め、白いシャツに濃紺のパンツスーツ…。
首からガイド証のネックストラップを下げている。
相変わらず色気のない服装だが、だれよりも照り輝くように美しかった。

…いた…!
ようやく見つけた。

すぐに駆け寄り抱き竦めたいのをぐっと堪え、ほっそりとした背中に向かって、片岡は叫んだ。
「シャオレイ!」

その声に、暁蕾はびくりと身体を震わせる。
恐々と振り返り…片岡を認めてその大きな瞳を更に見開いた。
「片岡さん…!」
「…シャオレイ…!」
「…な、何しに来たの?…」
強張る表情のまま硬い返事をしたのち、片岡をじっと見つめて息を飲む。
「…怪我…をしているの?」
「ああ…。君の幼馴染みと殴り合いさ。
散々やり合って、ようやく君の居場所を吐いてくれた」

信じられないように、暁蕾は首を振る。
「雨航と?喧嘩したの?なぜそんなことを…」
戸惑う暁蕾に、一歩近づく。
大きく深呼吸をする。
そうして、すべての勇気を振り絞り…この熱い願いを言葉に乗せる。

「シャオレイ。…俺と結婚してくれ」

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