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さすがに無理やろ
第10章 天国と地獄

そのメールの返信が来たのは
それから30分後やった

『はい。
新飼さんもほどほどに。
明日
楽しみにしています』

おお〜
堅苦しい文面やけど
このメールを
誰にも見つからんように
コッソリ打ってる思うと
ゾクゾクするわ

そのメールで
俄然やる気の出た俺は
それから一時間程で残業を終え
帰ることにした

青山さんは
まだ残業してるんやろうか…

青山さんが気になりながらも
俺は一人エレベーターに乗り
扉を閉めようとした
その時やった

「乗ります!」

そう言いながら
突然エレベーターに乗り込んで来たのは

「水本さんやないか」

可愛子ちゃんやった

「良かった、間に合って」

「どないしたんや
そんなに急いで」

「だって
新飼さんと
お話したかったから」

水本さんは
エレベーターの扉が閉まるやいなや
ずいっと俺に近づき
ちょっと甘い声で俺を見上げた

「な、なんや?話って」

「ひどーい」

「え?」

「忘れたんですか?
私との約束…」

そう、それや
可愛子ちゃんは
自分の武器をようわかってる
ちょっとほっぺを膨らませて
甘えるような顔をするんや
間違いなく可愛いらしいし
今日はヒップラインのはっきり分かる
白のパンツスタイル
なんちゅう…エロ可愛いさや

「あ、あーあれな!
話聞く言うてそのままで」

「そうですよー。
私、ずっと待ってたんですよ?」

「あ、一階に着いたで」

そこでエレベーターは一階に到着し
俺と水本さんはエレベーターを降りて
玄関前まで歩き立ち止まった
と言うか
俺は水本さんに立ち止まらされた

「いつなら大丈夫ですか?」

「せやな…ちょっと忙しゅうてな」

「…ひどい…」

「あ、え?」

さっきまで
ちょっと怒ったりしてた水本さんは一変して
今にも泣き出しそうな
悲しそうな顔で
俺のスーツの袖を掴んだ

「約束してくれたのに…」

や、やばい
こんなとこで泣かれたら最悪や
誰かに見られとうもない
しゃあない
とりあえず約束だけ…


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