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抱けない彼を妄想で抱く
第5章 拘束プレイ
彼はわたしの腕を縛りました。
「まって…」
わたしは大人しく縛られながら、淡い抵抗の言葉を口にします。
興奮でひざがわらいます。
いますぐに背中を押し倒されて挿入されたい。
そのくらいわたしの欲情はピークに達しており、濡れた秘所はベッドシーツとの間に糸をつくります。

「ここも隠そう」
彼はそういうと、わたしの目に布をあてました。
視界からの情報がなくなります。
彼の姿が見えなくなり、ものの位置もわからなくなり、ただ気配だけが伝わってきます。
布ずれの音。
触れなくとも感じられる人の熱。
空気のゆれ。
わたしはこの世界をより楽しむために、彼の気配を感じなくすることに努めました。

彼がわたしの背中に手をおきます。
「あ…っ」
わたしの身体はそれだけでのけぞり、肺は新鮮な空気をもとめ、心臓はリズムをはやめます。
「どうしたの?触れただけだよ」
彼は笑っていいました。
わたしは奪われた視界のおかげで、空想の世界に旅立てます。
きっと彼のものは大きくなっています。
芯のある硬さを保ったまま、わたしの乱れる様を楽しむのです。
わたしは自ら胸を地につけ、おしりを高く上げる姿勢をとりました。
「みてください…」
彼がどこにいるかわかりません。
己のエネルギーだけを頼りに、現実のなかで物語をつむぎます。
「すごく濡れてる」
彼の興奮した声がかえってきます。
「縛られると、貴方のものになった感じがして興奮するんです…」
「わたしのここは貴方のためだけにあります」
わたしは恥ずかしさや理性を必死に排除しました。
奥底の欲情だけを言葉にかえました。
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