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恋に落ちる時
第3章 フットサルの彼 -3-
「ごめん。」

直人「待って!俺が急かしたんだけど、振るなら、まだ答え出さないで。…もぉちょっと友達で頑張らせて。」

そう言った彼は、ばつが悪そうに少し遠くに視線をやった。

「違うの、ちゃんと伝えてなかったなって…私も…柳くんが好きだよ、大好き///もう…付き合ってるつもりでいた///勘違いしてて恥ずかしい。」

直人「え?─何それ///」

「バレンタインもおっきなハート型のあげたじゃん///」

直人「俺がお願いしたからかなって。てか、他のやつらにもあげてたじゃん。」

「それは、部活の女子で交換っこした残りをあげただけで…ハートの形のは柳くんにしかあげてないよ?ガトーショコラも柳くんにだけ、特別だよ///」

直人「──ハハっ、やばい。」

「?」

直人「…死ぬほど嬉しい。ねぇ、舞─って呼んでいい?」

「うん///」

直人「直人って呼んでみてよ?」

「…直人///」

直人「自分で言わしたけど、照れるわ 笑…これ、遅くなったけどホワイトデーのお返し。」

渡された小さな箱には華奢なネックレスが入っていた。

「可愛いっ!…嬉しい、ありがとう♪」

直人「着けててよ?彼女の印///…てか、さっき振られたと思って、普通にお菓子とかにすればよかったって、めっちゃ後悔してた 笑」

「紛らわしくてごめん 笑。こういうの貰うのはじめて。」

直人「彼女の印とか重いか、普通のプレゼントだと思ってつけて 笑」

「ううん…嬉しい///大切にするね。」

直人「俺も…舞を大切にする、約束するよ。」

ゆっくりと彼の顔が近づいてきて、その日、私達は、はじめてキスをした。

私のはじめてのキスも、はじめての夜も相手は全部直人だった。

もちろん、大学、社会人と環境も変わる中で、すれ違うこともあったし、喧嘩もしたけど、私の首にはいつも彼からもらったネックレスがついていたし、直人も私の事を変わらず大切に思ってくれていると感じてた。

だからこそ、彼の裏切りは、私にはとうてい受け止めきれない事実だった。

泣いて、泣いて、泣いて─…私が許せれば、これからも一緒にいれる。それはわかってたけど、好きだからこそ付き合い続けるのは無理だと思った。

別れは電話で伝えた、その時も良い歳して恥ずかしいくらい涙が止まらなかった。

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