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真面目で優秀な、憧れの生徒会長はDQNに弄ばれます
第7章 疑惑
「それで、教室は整頓したのか?」

担任の松林が鮎美に問いかける。

「はい、クラスのみんながやってくれているはずです」

「そうか」

「それで先生、これって……」

「ならすぐに授業だな、八木もはやく教室に戻れ」

鮎美の言葉を遮るように、少し語気を強める松林。

「そうですけど」

「多分他の移動教室の生徒がイタズラしたんだろう、前も違うクラスで同じようなことがあった。職員ではなしておく」

鮎美と一向に目を合わせることなく松林はまくし立てた。

「でも生徒達にそんな話は」

「八木さん」

松林の対面、理科教師の小林が割り込む。

「……はい」

物怖じせず、冷静に返答する鮎美。

「いくら君でも、これは堂々とした授業放棄と捉えられてもおかしくないですよ」

小林は、普段は少しおちゃらけたキャラで授業をする、いわゆる面白枠の教師だ。
そんな人間から発せられる威圧感に、鮎美は食い下がるのを止める……のではなく、何か裏があると悟った。

「失礼しました」

「……」

無言で廊下を歩く鮎美

(……秋山カズオ)

本当に、さっきの噂のような人物なのだとしたら。
そして、先生達のあの態度。
大人も逆らえない人物?

もしそうだったら。

何かこの学校に大変な事が起こるのでは。

…………

鮎美の読みは正しかった。
ただ1つの間違いを除いては。

その、致命的な間違いを除いては。


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