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真面目で優秀な、憧れの生徒会長はDQNに弄ばれます
第7章 疑惑
すぐに後ろに飛び退いたので、その柔らかい物の正体が何なのか、その時はわからなかった。
目の前にいたのは八木さんだった。
さっき出ていったばかりなのに、何か忘れ物をしたのだろうか?
それにしても、あの柔らかいものは……。
「そういえば忘れてたんだけど」
相変わらず、僕の動揺はそ知らず、八木さんは言葉を掛けてくる。
「ペン、一応今日持ってきたんだよね」
「あ、そ、そうなんだ?」
忘れていなかった!
……いや、でもこれは忘れていたのか?
でも、ギリギリ思い出してくれていたし、セーフ、全然大丈夫だ。
「でも今日はゆっくりお話してる時間もうないから、まだ明日くらいに見せてもいいかな?」
「あ、うん、大丈夫」
「ごめんね、じゃあまた明日ね」
そう言うと、八木さんはまあ廊下を歩いて行った。
せっかく教室に誰もいなかったし、話したかったな。
でも。
‘また明日ね’
八木さんと、今日も約束出来た。
話すことも出来なかったこれまでから考えると、大きな、大きな進歩だ。
今日も八木さんと話が出来た嬉しさと、約束が出来た嬉しさ。
僕はすっかりと忘れていた。
今日、秋山カズオという不良の一件で教室がざわついたことを。
……あの柔らかい感触のことも。
目の前にいたのは八木さんだった。
さっき出ていったばかりなのに、何か忘れ物をしたのだろうか?
それにしても、あの柔らかいものは……。
「そういえば忘れてたんだけど」
相変わらず、僕の動揺はそ知らず、八木さんは言葉を掛けてくる。
「ペン、一応今日持ってきたんだよね」
「あ、そ、そうなんだ?」
忘れていなかった!
……いや、でもこれは忘れていたのか?
でも、ギリギリ思い出してくれていたし、セーフ、全然大丈夫だ。
「でも今日はゆっくりお話してる時間もうないから、まだ明日くらいに見せてもいいかな?」
「あ、うん、大丈夫」
「ごめんね、じゃあまた明日ね」
そう言うと、八木さんはまあ廊下を歩いて行った。
せっかく教室に誰もいなかったし、話したかったな。
でも。
‘また明日ね’
八木さんと、今日も約束出来た。
話すことも出来なかったこれまでから考えると、大きな、大きな進歩だ。
今日も八木さんと話が出来た嬉しさと、約束が出来た嬉しさ。
僕はすっかりと忘れていた。
今日、秋山カズオという不良の一件で教室がざわついたことを。
……あの柔らかい感触のことも。