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真面目で優秀な、憧れの生徒会長はDQNに弄ばれます
第3章 カズオ
カズオが学校に来たことに特に理由なんてなかった。
学校に行かなくなったことにも特に理由なんてなかった。
というかそういう、なんでだとかどうしてだとかそういうことを言われるとイライラするし、面倒だった。

そして、それを人に伝えるのも面倒だった。

その時の感情のまま、言葉よりも行動で示す、と言えば聞こえはいいが、歯止めも加減も知らない彼から出る行動は、非行としてしか表面化することはなかった。

その日、学校は3時間目の授業中。
カズオは着崩した制服で靴も履き替えず、大袈裟な足音を立て廊下を歩いていた。
向かう先は給食室。
まだ昼休みではないが、この時間にはもう給食があることをカズオは知っていた。

生徒の中にカズオ以外素行の悪い者は当然いる。
正義感のある教員もいる。
だが、生徒はカズオの喧嘩の強さの前に、そして大人達は地元の名士であるカズオの親の前に。
何か物を言うことは不可能だった。

カズオは勢い良く給食室の扉を開けた。
その時、給食室にいた職員は1人。
カズオが滅多に学校に来ないことに加えて、運が悪くその職員はここに勤め出して日の浅い者だった。

我が物顔で、一人前の定量を無視して給食を取るカズオに、当然注意をする職員。

だが次の瞬間、その職員は床に叩き付けられ、一瞬見えた天井は、すぐ寸銅に遮られた。
その日の給食はシチュー。
寸銅は熱く、そして重かった。

他の職員が給食室に入った時には既にカズオの姿はなかったが、誰もが誰の仕業であり、そしてこれは泣き寝入りするしないのだということを悟った。
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