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第5章 乳母…5

「何かお手伝いを…」
あおいは袖口をまくりながらキッチンに入った。
「じゃぁ、サラダをお願いします。」
あおいは洗われた生野菜をちぎり白いお皿に入れた。

川口は茹で上がったパスタをフライパンに入れソースを絡めていた。部屋にオリーブオイルとニンニクとバジルの香りが漂い、
「いい香り。美味しそう。」
匂いを吸い込んだ。

「あおいちゃんはアルコールは飲める？シャンパンがあるけど。」

「はい。沢山でなければ大丈夫です。でももうずっと飲んでいないけど…」

「酔っても俺が介抱してあげるから大丈夫。」
川口はシャンパングラスを出し、冷蔵庫からシャンパンを取り出した。冷蔵庫から取り出す時にあおいを驚かせようと、ボトルを少し振ったのだった。

カウンターに料理とシャンパンを置くとあおいと並んで座り栓を開けようとしていた。
「さぁ、開けるよ。パンッて鳴るから…いい？」
そして針金を取りコルクを指で押した。
あおいはジッとシャンペンを見ていた。
パンッ！
音とともにシャンペンがあおいをめがけて噴き出したのだ。
「ワァッ！」
「キャアッ！」
2人は声を揃え叫んだ。

「ご。ごめん。こんなに…」
あおいの胸元はシャンパンで濡れていた。

川口は済まなそうに謝りタオルで拭いた。

「着替えてきますから、大丈夫です。」
あおいが言うと
「俺の…俺のシャツを着ていたらいい。」

川口は立ち上がり、クローゼットに向かった。