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第6章 乳母…6

「桜田の妻か…交友関係を調べてみよう。この男が誰かが分かる。」
川口は、電話を取り出し、何処かに電話をかけた。

「じゃあ、宜しく。」
電話を切ると
「だんだんと繋がってきたぞ。」
と川口は嬉しそうな表情を浮かべた。

あおいは…
複雑だった。

桜田の妻が絡む事件だなんて…
元はといえば桜田との不倫がこの事件を引き起こしてしまったのだから。

「まず、この防犯ビデオを警察に渡さないとだが…歩道橋の事件のことまで分かってからにしよう。あれは証拠が無いから、なかなか事件だと言い張るには難しい。全て本人の口から話して貰わないと…」

川口の目はキラキラと輝いて見えたが、あおいの心は暗く重くなっていた。