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乳母…めのと
第6章 乳母…6
あおいはネットで離乳食を調べ、入り用な食材をスーパーで買い佐野のマンションに戻った。

先程部屋の鍵を受け取り、そのまま玄関の鍵を開けた。

「何なのよ!嘘つき。子供なんて…一緒に住むなんて…聞いてないわ!」
女にヒステリックな怒鳴り声が聞こえた。
あおいは入っていいのか躊躇っていた。

「子供の方が大事なんだ。君は一人でもどうしてでも生きられる。でもこの子は俺が守らないと…俺の子供だし。」

あおいはホッとした。
女より子供を取ってくれた佐野にお礼を言いたい程だった。
自分の子供を育てるのは当たり前だが、嬉しかった。

あおいが靴を脱ぎ部屋に入ろうか玄関で迷っていると、女が帰ろうと玄関に現れ、玄関にいるあおいを見て驚いていた。

「まぁ!女が出来たのね!子供を理由に女を…こんな若い子を!」
佐野に言った後
「泥棒!」
そう言い、あおいに掴みかかってきたのだった。

佐野はあおいと女の間に割り入ろうとしたが、玄関先に大人3人が入り乱れるのは大変だった。

あおいは咄嗟に女の手を捩じ伏せ、
「私はベビーシッターです。命を…子供の人生をなんだと思っているの?平気な顔をして我が子を棄てろとか言うなんて、あなたはもはや人間失格よ。」
厳しい口調で年上の女を叱咤した。

「な…何よ?」

「子供がいるのでおかえりください。」

あおいには締め上げた腕の力を抜いた。

女は高いヒールの靴を履き、ドアを開け、力一杯にドアを閉めた。

あおいは大きくため息をついた。
佐野も大きくため息を付き…
「ごめん。、あんな…女を…」
「あんな女を連れ込んだこんな男なんですね。佐野さんは。」
怖い顔をしてあおいは言った。

バツの悪そうな顔を佐野がすると、あおいは笑っていた。
「あー、ビックリした!隼君〜。」
あおいは隼人の寝かされている部屋に向かった。



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